2008年04月17日

家庭教師45

僕の前に家庭教師をやっていた男は、スゴいバイク好きで、純一にバイクの楽しさを教え込んでクビになりました。

純一は、僕が来てからも相変わらずバイクは好きでしたが、親から禁止されていて、
許可があるときだけしか乗れないからとても辛いとうったえていました。

僕は、車に興味があるけれど、バイクにはそんなになかったので、聞き流していましたが、
あんまり何度もいうので、勝手にのりゃーいいじゃんと言うと、

「せんせー、馬鹿だなぁ、うちの親マジ怖いんだぜ。そんなことしたら殺されるよ。」

と、”そんなことも知らないのか顔”で言うので、

「知らねーし!てゆーか、そんなに怖いの?」

と聞くと、

「怖いなんてもんじゃねーよ。うちに鹿の剥製あんじゃん、あれ、親父が撃ったやつで、
猟とかするんだよ。そんで、銃とか4丁くらいもってんの。それで、脅すんだぜ」

さすがにそれは、ありえないと思って、信じていないような態度でいると、
純一は、目を剥いて、声高に言いました。

「マジだって、信じねーの!?バイク勝手に乗ったとき、親父、もの凄い怒りくるっていなくなったと思ったら、猟銃持ってきて、弾込めて、俺に銃口むけんだよ。


西武警察の大門みたいなのあんじゃん。


なんか銃身のあたりガシャーンとか引いて、死ぬほどビビるぜ。せんせー、銃向けられたことある?」

「いえ、ありません。。。」

「そんで、親父。お前を殺して俺は警察行くからとかいってるんで、バイクは乗れないでしょ?」

「そうだね。乗らない方がいいと思う。」

お父さんには、何度か会っていましたが、挨拶程度だったので、そんなに激しい人だとは想像もしていませんでした。



この仕事の失敗は許されないと思いました。(;´Д`)
  
Posted by yody8830 at 17:38Comments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!

2008年03月07日

家庭教師35

純一の家庭教師は、週に2回から3回やりました。

彼はお金に無頓着で、いつも机の上に小銭の山ができていました。
多くは500円玉だったので、かなりの金額でしょう。

あるとき僕が、片付けろというと、

「いいんだよ。どーせ小銭だから。先生、なんかジュースとか飲みたかったら
こっからもっていっていいぜ。」

と彼は言いました。僕は唖然としながら、

「いらねー、あと、お前の家では、ジュース売ってねぇ!」

と答えると、純一はとても感心したように、しきりとうなづきながら、
なるほど確かに売ってないなぁとぶつぶつと言ってました。

恐らく、彼にとっては小銭は小銭でしかないのでしょう。
僕が教え子からお金をもらうのを拒否したのではなく、

ジュースが売っていないからいらないんだ

と本気で思っているようでした。

最初の月末がきたとき、純一のお母さんに呼ばれ、
今月分ねと言われて、給料の入った封筒を渡されました。
僕は、ありがとうございますといいつつ中を確認したところ、

7万円だったはずが、10万円入っていたので、

正直ものの僕は思わず、「これは多くないですか?」と聞きました。

お母さんは、いいからって感じで、犬を追いやるように手を振り、
くるっと背中を向けてキッチンの方にいってしまいました。

その態度が、なんとなくめぐんでやった感を醸し出し、若干僕のプライドを傷つけましたが、
お金の魅力というのはたいしたもので、
これじゃあ、純一もお金に無頓着になるはずだなぁと思いつつ、うかれ気味に帰路につきました。


しばらくしたころ、机の上の大量の500円玉達がみるみる減った時期がありました。
ある日、あとかたもなくなくなっていたので、純一に片付けたのかと聞くと、

「そうじゃねーよ、先生、マジ金がないんだよ。親が全然小遣いくれなくなったんだ。
どうしよう、俺、おわったよ。先生。」

というので、

「お前さ、結構、金に無頓着だろ?お前の服のポケット全部調べろ、あとなんか知らないけど親に謝れ、以上。」

といって帰りました。

その次の家庭教師の日、会うなり笑顔で純一は言いました。

「先生!先生のいうとおり、調べたら、スゲー出てきたよ。」

「そうか、ヨカッタな、んで、いくらあった?」



「うん、10万くらいあった」



「なるほど...思ったよりあったな....」

「先生、スゲーよ。まじで。頭いいね。」


ε=ε=(;´Д`)

それはまったく違う。
  
Posted by yody8830 at 15:21Comments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!

2008年02月11日

家庭教師25

前回からの続き

鹿の剥製と睨めっこをしながら待っていると高校生の息子がやってきました。
彼は純一(仮名)といって、最初はとてもナマイキそうに見えました。
でも会話をしてみると、お金持ちに特有の世間知らずな面はありますが、
とってもイイ奴でした。

彼の部屋に入ると、大きな水槽があり、得体の知れない魚がいました。

何この魚?と聞くと、

せんせー、しらねーの?コレはシルバーアロワナつって、アマゾンにいる
すげー肉食の魚なんだぜ。

そうか、ピラニアのようなものか?

あー、ピラニアね。あれは、しょぼいよ。あれよりこっちのが全然すげー。
ふたしてないと飛ぶんだよ。まじビビるぜ。
本当は、ピラルクがいいんだけど、超でかくなって怖いからやめた。

へー、やめたってどうしたの?

前に知り合いから買って、しばらく飼ってたんだけど、本当にでかくなって
水槽に入らなくなってきてヤバイから捨てた。ほんとスゲーでけーんだよ。
親も超怒って捨てろっていうし。

まじ?捨てたの?どこに?

どぶ



どぶ...Σ(゚д゚lll)


そうか。どこの?

どこのって、そのへんだよ。

なるほど、そうか。。。ところでピラルクって飼っていいものなの?

ダメに決まってるじゃん。


つづく。  
Posted by yody8830 at 16:11Comments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!

2008年01月27日

家庭教師15

大学生の頃、開業医の家の高校生の息子の家庭教師をやっていたことがあります。

始めての日、近所の駅で待つように言われていたので、待っているとそこのお母さんが車で迎えに来てくれました。
黒のスポーツカーに黒革のジャケット&パンツできめていて、

(こいつは金持ちだ。大学合格ボーナスも期待できるぞ。)

と僕の胸は高鳴りました。

車の中で、前の家庭教師は、息子にヘンなこと教えてから、クビにしたと言われました。

ヘンなことって...と遠慮がちに聞くと、

「バイク、それで勉強しなくなったわ」

家に着くと、庭に車が数台止められるようになっていて、別にシャッター付きのガレージもありました。

「次からあなたも車できていいわよ」

といわれて、こんな家にすめたらいいなと思いました。

とても広い玄関に圧倒されながらリビングに行くと、
目前には、堂々とした鹿の首の剥製がこちらを睨んでいるように飾られていました。


つづく  
Posted by yody8830 at 16:42Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!