2008年03月07日

家庭教師35

純一の家庭教師は、週に2回から3回やりました。

彼はお金に無頓着で、いつも机の上に小銭の山ができていました。
多くは500円玉だったので、かなりの金額でしょう。

あるとき僕が、片付けろというと、

「いいんだよ。どーせ小銭だから。先生、なんかジュースとか飲みたかったら
こっからもっていっていいぜ。」

と彼は言いました。僕は唖然としながら、

「いらねー、あと、お前の家では、ジュース売ってねぇ!」

と答えると、純一はとても感心したように、しきりとうなづきながら、
なるほど確かに売ってないなぁとぶつぶつと言ってました。

恐らく、彼にとっては小銭は小銭でしかないのでしょう。
僕が教え子からお金をもらうのを拒否したのではなく、

ジュースが売っていないからいらないんだ

と本気で思っているようでした。

最初の月末がきたとき、純一のお母さんに呼ばれ、
今月分ねと言われて、給料の入った封筒を渡されました。
僕は、ありがとうございますといいつつ中を確認したところ、

7万円だったはずが、10万円入っていたので、

正直ものの僕は思わず、「これは多くないですか?」と聞きました。

お母さんは、いいからって感じで、犬を追いやるように手を振り、
くるっと背中を向けてキッチンの方にいってしまいました。

その態度が、なんとなくめぐんでやった感を醸し出し、若干僕のプライドを傷つけましたが、
お金の魅力というのはたいしたもので、
これじゃあ、純一もお金に無頓着になるはずだなぁと思いつつ、うかれ気味に帰路につきました。


しばらくしたころ、机の上の大量の500円玉達がみるみる減った時期がありました。
ある日、あとかたもなくなくなっていたので、純一に片付けたのかと聞くと、

「そうじゃねーよ、先生、マジ金がないんだよ。親が全然小遣いくれなくなったんだ。
どうしよう、俺、おわったよ。先生。」

というので、

「お前さ、結構、金に無頓着だろ?お前の服のポケット全部調べろ、あとなんか知らないけど親に謝れ、以上。」

といって帰りました。

その次の家庭教師の日、会うなり笑顔で純一は言いました。

「先生!先生のいうとおり、調べたら、スゲー出てきたよ。」

「そうか、ヨカッタな、んで、いくらあった?」



「うん、10万くらいあった」



「なるほど...思ったよりあったな....」

「先生、スゲーよ。まじで。頭いいね。」


ε=ε=(;´Д`)

それはまったく違う。


Posted by yody8830 at 15:21 │Comments(1)TrackBack(0)この記事をクリップ!家庭教師 

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この記事へのコメント
は〜、次には親に謝るのかな?
それにしても‘スゲー’家ですね。
Posted by y at 2008年03月09日 19:48